15:20
紅い甲虫が現れると、「ドキッ」とさせられます。
「紅い甲虫」は、必ず撮るのですが、
後で、同定に苦労させられます。
「紅い甲虫」は、有毒である。とされる、
[ ベニボタル科 Lycidae ] に擬態していて、
科を跨ぎ、どれも似ています。

今回の「紅い甲虫」は、
[ ベニコメツキ Denticollis nipponicus ]
で、良いようです。


GX100 1:1 70mm域

それでもぼくはいつにないのびやかさを感じていた。
草原からは、初夏の風から生まれたようなウスバシロチョウが
清楚な半透明の翅をゆるやかにうちふっていくつも飛びたった。
Parnassius というその属名は、あのアポロンの山、詩神の山の名称である。
事実、蒐集家の珍重する近似の種類はアポロチョウとよばれ、
その純白の翅に動脈血のような紅斑と黒壇のような縁どりをもっている。
残念ながら日本にはアポロチョウはいない。
その代り、内地産のこの唯一のパルナシウスには美麗なアポロチョウには
見られない洗練された上品さと優雅さがある。

一匹のウスバシロチョウが道案内をするようにぼくの目前をとんでいた。
道が折れまがると、またもや蝶はこちらにいらっしゃいというように、
道につれてふわふわと漂ってみせた。
たしかにそれは漂っているというのが当たっていた。
透明な大気がその軽いからだをささえ、
あるかないかの風がすこしずつ彼女をはこんでいった。

北杜夫著 幽霊―或る幼年と青春の物語― より。

15:48
いよいよ最後の昆虫です。
大好きな「キリン蟲」
[ ヒゲナガオトシブミ
 Paratrachelophorus longicornis ]

が、[ アブラチャン(油瀝青) Parabenzoin praecox ]
の葉を後食していました。
こんなに沢山の「キリン蟲」を見たのは初めてです。
最後に、嬉しい蟲に出逢う事が出来、
「 Y ポイント」を後にしました。



to Top:♂
to Left:♀
GX100 1:1 70mm域 Built,inn-TTL

15:23
[ コアカソ Boehmeria spicata ]
の葉裏へ逃げ込んだのは、
[ ヒメコブオトシブミ
 Phymatapoderus pavens ]

です。
残念ながら、まだ、揺籃は作っていませんが、
沢山の個体を見る事が出来ました。
その代り、逃げ足が速く、物になる画像が
少ないのが、難点です。



GX100 1:1 70mm域 Built,inn-TTL

15時を過ぎ、蝶の活動性も下がってきました。周りに、トンボは飛んでいるのですが、蝶は見えません。
先月、「トウキョウサンショウウオの卵塊」を見た、湿地沿いの小川が流れるルートを最後に行きます。

15:26
「イタドリ」の葉上で、
[ イチモンジカメノコハムシ Thlaspida biramosa ]
を見つけました。
「カメノコハムシの仲間」も見つけると、
嬉しい蟲です。



GX100 1:1 70mm域 Built,inn-TTL

15:45 沢筋の葉上にはいろいろな甲虫が見られます。今回、見られた「タマムシ」は1種でした。
     
[ シロオビナカボソタマムシ Coraebus quadriundulatus ] です。
     「タマムシの仲間」も撮影が困難な甲虫です。やはり、金属光沢のある蟲は難しい。。。
     GX100 1:1 70mm域 Built,inn-TTL

15:28
同じく、「イタドリ」の葉上にて、
[ アシナガオトシブミ亜科の一種 Attelabinae ]
を見つけました。
蘭丸は「オトシブミの仲間」も大好きなのですが、
同定の困難な種も多く、困ってしまいます。



GX100 1:1 70mm Built,inn-TTL

15:09
林道の入り口から、湿地になっています。
湿地の端には、丈の高くない「スゲの仲間」
が生えており、開花しています。
蘭丸は「スゲの仲間」には詳しくないのですが、
[ スゲ属の一種 Carex spp.] と思われる
植物の花穂に綺麗な金属光沢の甲虫が!!!

[ スゲハムシ Plateumaris sericea ] です。
別名、「キヌツヤミズクサハムシ」とも呼ばれ、
以前の学名は、[ Pla.nipponensis ] でした。
その、強い金属光沢は、自然光でこそ輝き、
スピードライトを使っては上手く表現できません。
しかし、風も吹いてきて、なかなか、自然光で
撮るのが難しい。後から考えれば、
1眼レフのレンズを換えれば良かったのですが、
この時は思いつかず・・・
結果、GX100 の広角端で撮りました。


GX100 P-AE F8.1 1/64 EXP:-0.3 24mm相当